ホンダ ベンリィCD125(初期型)の記録

古いビジネスバイクに乗っている方、CD125初期型(1966年式~1969年式)に乗っている方に向けて情報発信していきます。記事の追加情報や、記事の中に間違いがあった場合には教えていただけると有難いです。

ライトバルブ

バイクで比較的頻度の高い交換部品でありながら、無いと主に安全面で致命的になってしまうライトバルブ。

ベンリィCD125(初期型)に使えるものが手に入るか心配になるところですが、今のところ入手性は割と良いです。

とはいえ、基本的にバイク用品店か通販でないと買えないですし、数が少なく売り切れていたりするので、予備は常に用意しておく必要があると思います。

 

・ヘッドライト(広瀬。スタンレーのユニットだと別のバルブだと思います。)

 6V 30/25W P15D-30 →「M&Hマツシマ 1P1006」が使用可能。

 

・テールランプ

 6V 18/5W S25(BAY15D) →「M&Hマツシマ 1P3304」が使用可能。

 

・ウインカー

 6V 10W G18(BA15S) →「M&Hマツシマ A5008」が使用可能。

 

・メーター

 6V 3W G10(BA9S) →「M&Hマツシマ A7103」が使用可能。

 

・インジケーター

 6V 1.5W T6(BA7S) →「M&Hマツシマ A7603」が使用可能。

 

割と見慣れた形状が多いですが、P15D-30は見たことある人が少ないかもしれません。

自分はCD125で初めて見ました。

 

P15D-30の取付取外し方法はちょっと独特です。

まずリング状のクリップを外します。

次にバルブの裏の金具を押すと3本の突起が浮くので、浮いた状態でバルブを回すと外せます。取付は逆順。

それにしても、M&Hマツシマ様様ですね…。

 

参考までに、ヘッドライトASSYのパーツナンバーは以下です。

・広瀬(33100-230-015)

・スタンレー(33100-230-023)

・スタンレー(33100-230-043) ※フレームNo.1103902~

旧車整備のオススメ工具

「オススメの工具はなんですか?」

そう訊かれると、古いバイクを自分で整備している人は特に、色々語りたくなってしまうかと思います。

 

もし自分が訊かれたら、真っ先に答えるのは「T字ドライバー」です。

コーケン 157P-2(Ph2)、157P-3(Ph3)

古いバイクに多いプラスネジに対して、以前はネジの締まり具合や固着状態に応じて「普通のドライバー」「ボルスター付き貫通ドライバー(+ハンマー+レンチ)」「ショックドライバー」と3種類を使い分けていたんですが、これを買ってからはこれだけ持っていけば済むことが多くなりました。

まずは普通のドライバーから使って、弛まなそうだったら次のドライバーと手段を試していく…というやり方をしてました。

T字ドライバーだと、その形状から押し付ける方向と回転させる方向それぞれに力がかけやすく、早回しも得意なのでスペースさえあれば幅広く使えます。

流石にガチガチに固着したネジは「ショックドライバー」しか通用しませんが、一度でも外していればまた軽く固着したとしても、割と楽に外せることが多い印象です。

 

「存在は知っていても、使ったことない」という人が意外と多いのも、オススメする理由の一つです。

最高速

バイク、特に小排気量に乗っていると気になる最高速。

実際に燃費以上にエンジンの調子を測るバロメーターにもなるので、気にする人も多いと思います。

問題は、それを測ることの出来る場所や状況がなかなか無いことでしょうか…。

 

そんな中、自分のベンリィCD125(初期型)で測ってみたところ結果は以下でした。

 

●最高速(メーター読み):102km/h

●最高速(GPS計測):96km/h

140km/hメーター

メーターはブレブレで当てにならないので、GPSでも測っています。

だいたい今のスーパーカブ110(8馬力)と同じくらいなので、出ている馬力も同じくらいだと思われます。

CD125の諸元表だと「12.5馬力」ですから、本調子にはほど遠いようです。

しかも風向きによっては10km/h以上下がってしまったりとトルクもないので、もう少しエンジンの調子を良くしていきたいところです。

 

ところで、CD125が発売されたころにもバイク雑誌で性能テストはされていたようです。

その時の最高速の結果は、なんと119km/h!

測り方は分かりませんが、新車当時は本当にメーターに示されているところまでスピードが出ていたみたいですね。

ちなみにその時の乗車姿勢は、完全に伏せて、足はリアステップに乗せた状態と書いてありました。

場所と状況を用意し、エンジンの調子はもちろん、人も結構頑張らないと、カタログ通りの最高速は出ないということですね。

サービスマニュアル 構造編

サービスマニュアルと言えば、いわゆる整備書として整備に関わる様々な情報が載っている一冊(=構造・整備編)ですが、ベンリィCD125(初期型)では「構造編」のみのものもあったようです。

内容としては「サービスマニュアル構造・整備編」から整備に関する部分を抜き取ったような感じで、基本的に「サービスマニュアル構造・整備編」以上の情報はありません。

なのでページ数もかなり少ない(22ページ)ものになっています。

 

ただ、よく見ると細かい違いがあることが分かり、その違いを見つけるのが面白かったりします。(単純に発行時期の違いなのかもしれませんが)

個人的には、言い回しがちょっと砕けていて、何となく人の温もりが感じられるところも気に入っています。

コンタクトブレーカ

ベンリィCD125(初期型)の点火方式は、アナログなポイント点火です。

このポイント点火、自分は初めて触る前は身構えていましたが、触ってみると構造も単純で弄りやすく、一度調整すれば以降はそこまで触らなくても問題の起きない良いシステムなのが分かり、普及していたのも納得でした。

(一応、取説では300km毎の点検です)

 

この"ポイント"があるコンタクトブレーカが、CD125の場合2種類あります。

 

【1.日本電装(ND)】

コンタクトブレーカベースプレート:30201-230-004

(エンジンNo.1113957以降は30201-230-014)

コンタクトブレーカ:30202-230-004

コンデンサ:30250-230-004

(エンジンNo.1113957以降は30250-205-014)

 

【2.国産電機】

コンタクトブレーカベースプレート:30201-003-003

コンタクトブレーカ:30202-003-003

コンデンサ:30250-205-003

 

このうち国産電機のものは使われている車種も多いらしく、消耗品のコンタクトブレーカとコンデンサはオークションサイトでも比較的良くでてくるんですが、日本電装のものはあまり出てきません…。

自分のCD125のコンタクトブレーカは日本電装のものです

日本電装用コンタクトブレーカがなかなか手に入らなかったので、海外オークションでまとめ買いしました。

写真がないですが、日本電装と国産電機では形状が違って互換性が無いので、間違って買わないように要注意です。

今ついているコンタクトブレーカとコンデンサの形をしっかり確認してから買いましょう。

パーツリストとサービスマニュアル

バイク整備に必須のパーツリストとサービスマニュアル。

2022年現在、ベンリィCD125(初期型)のものは正規版も復刻版もどちらも入手可能です。

 

手っ取り早く欲しい、あるいは整備中に触って汚してしまってもあまり気にならないものが欲しい方は復刻版がオススメです。

以下の2サイトで発行されています。(他にもあるかもです)

 

【1】

nirinsi4.shop-pro.jp

CB125 CL125 CD125 サービスマニュアル 復刻版 - 日本二輪史研究会

ベンリイ CD125 パーツリスト 復刻版 - 日本二輪史研究会

 

【2】

www.old-bike2808.com

CB/CL125 CD/125/A サービスマニュアル - バイクの資料室

CD125 CS125 パーツリスト - バイクの資料室

 

 

コレクションとして正規版が欲しい場合は、ヤフオク等のオークションや部品交換会、フリーマーケットで見つけることになります。

ヤフオクだとパーツリストもサービスマニュアルも割といつも出品されていますが、値段はまちまちです(値段差は物の状態というより、タイミングだと思います)。

 

【パーツリスト正規版】

おおよその値段は2,000~15,000円くらい。

発行されたタイミングでいくつも種類があると思いますが、ざっくり分けると、

①CD125発売当初に発行されたもの(黒マーク。CD125のパーツ情報のみ)

②CD125A、CS125発売後に発行されたもの(白マーク。CD125A、CS125のパーツ情報も記載)

③CD125販売終了後に発行されたもの(黒マーク。1970年台以降にそれまでの情報をまとめて発行したようです。CD125A、CS125のパーツ情報も記載)

を確認しています。

後に発行されたものの方が情報が多く、内容も更新されているのでお得です。

左は1966年発行(①)、右は1976年発行(③の再出版品?)

CD125A、CS125は1967年発売でCD125がベースです。海外向けのCD175も1967年発売。よく見たらここに載ってるCD125、黒くないのでスカーレットですかね。

 

【サービスマニュアル正規版】

おおよその値段は10,000~30,000円くらい。

多分いくつか種類あるんだと思いますが、把握できていないです。

故障診断方法やエンジン分解図など、復刻版にはなかったページもありました。

1967年発行

 

ついでに取扱説明書に関してです。

取説はパーツリスト、サービスマニュアルと違ってあまり出てくることがないため、手に入れるのは少し時間がかかるかもしれません。

ただ、パーツリストとサービスマニュアル以上の情報は載っていないので、読んで楽しむコレクターアイテムといった感じです。

1968年のもの。丁度ホンダ二輪車総生産1000万台突破したタイミングだったようで、笑顔で手を振る本田宗一郎さんが載っています。

バッテリー

ベンリィCD125(初期型)には6V開放型バッテリー(レギュレータがないのでMFバッテリーは使用不可)を使用します。指定は"6V-12AH"。

資料や写真をみると「B54-6」「B41-6」といったバッテリーを使っているようです。

ということで代替品であろう「6N12A-2C」というバッテリーを買って入れてみたんですが、はみ出してしまいバッテリーカバー(プラ)が閉められない…。

仕方なく、容量の小さい(6Ah)「6N6-3B」を入れています。

容量が小さいので、300kmも走るとバッテリー液が下限近くまで減ります。

「6N6-3B」が長さ95㎜×幅53㎜×高さ120㎜でフレームにピッタリ収まるくらい。

(高さはエアクリーナーギリギリ)

そこからカバーの厚みが20~30㎜程しかないので、「6N12A-2C」の長さ156㎜×幅57㎜×高さ116㎜は普通には入らなかったです。

ミーティングでお会いした方はバッテリーカバー(プラ)を嵩上げして12Ahのバッテリーを入れていました。

プラカバー

6Ahだとやはりバッテリー液の減少の早さが気になるので、次はもう少し容量が大きくてサイズの近い6YB8L-B(長さ121㎜×幅71㎜×高さ96㎜)を入れてみる予定です。

 

最後になりますが、バッテリーカバーはフレームNo.1090365から、プラスチック製(83600-230-030B)から鉄製(?)(83600-237-680B)に変更されていて形状も変わっている可能性があるので、上記のことは変更後のカバーには当てはまらず、変更後のカバーの車体には何の問題もなく12Ahのバッテリーが付くのかもしれません。

 

 

【2023/2/11追記】

鉄カバーが手に入ったので、バッテリーを「6N12A-2D」に交換しました。

 

(※「6N12A-2C」は安価に手に入るものがなかったので「6N12A-2D」にしています。「6N12A-2D」はガス抜きホースが「6N12A-2C」と逆の位置にあるので車体につけると+ー端子が逆になりますが、本体の大きさは全く同じです。)

 

鉄カバーにすることで、問題なく本来の大きさのバッテリーが装着できました。

鉄カバー

6N12A-2D