ホンダ ベンリィCD125(初期型)の記録

古いビジネスバイクに乗っている方、CD125初期型(1966年式~1969年式)に乗っている方に向けて情報発信していきます。記事の追加情報や、記事の中に間違いがあった場合には教えていただけると有難いです。

Lクランクケースカバーのオイル漏れ②(対策編)

ベンリィCD125(初期型)で起こりやすいLクランクケースカバーからのオイル漏れ(オイルシールが新品でも起きてしまう物)について、前に推定した原因への対策を書いていきます。

 

まず初めに、自分のCD125も完治はしていません。

なのであくまで対処療法の緩和措置であることを最初にお断りしておきます。

 

【「原因1:ダイナモステーターベースからセルモータースプロケットにくるオイルが多い」への対策】

 

1.「エンジンに入っているオイルを減らす」

そんな単純な…と言われてしまいそうですが、結構効果がありました。

具体的にはレベルゲージの上限(オイル交換時にオイル約1.2L投入)とレベルゲージ下限(同、約0.9投入)では漏れる量が大分違いました。

原因から考えても、エンジン内を巡ったり跳ねるオイルの絶対量を少なくすれば、クランクシャフトに付着するオイルも少なくなり、回転によってダイナモステーターベースから押し出されていくオイルも少なくなるだろう、というのは的外れな考えではないと思います。

 

2.「回転数を上げない」

これも当たり前では…と言われそうですが、個人的には一番効果がありました。

5000rpm以下に抑えて走り続けた場合、ほぼ漏れはありませんでした。

逆に頻繁に10000rpm近くまで回したり、高回転をキープして巡航した場合には漏れがかなり多くなった印象です。

これも原因から考えると、クランクシャフトが回転すれば回転するほど多くのオイルが螺旋溝で押し出されるので、単純に回転を抑えればその分、押し出されるオイルも少なくなります。

また、下でも書きますがブローバイガスの量も少なくなるのでクランクケース内圧も高くなりにくくなり、二重で効果が出るのだと思います。

 

 

【「原因2:セルモータースプロケットからダイナモステーターベースに戻るオイルが少ない」への対策】

 

1.「ダイナモステーターベースのオイル排出穴の拡大」

セルモータースプロケットを潤滑してダイナモステーターベースに戻ってきたオイルは、二つあるオイル排出穴からクランクケースに排出されるのですが、この穴はオイルシールで半分塞がってしまう(オイルシールを深く入れてしまった場合はさらに塞がる)ため、それが抵抗になってしまっているのでは?と思い拡大してみました。

オイルシールの入っていた部分まで黒い跡が残っています。

やり方としては、細い丸ヤスリを使って元のオイル通路の有効断面積を倍にするイメージで、穴のオイルシールに隠れない側を拡大しました。

(拡大後の写真が無く申し訳ありません。加工後のものは使用中のためオイルシール外すのが勿体なく…)

 

と、ここまで書くと効果も期待できそうですが、これは殆ど効果なかったです。

 

よほどオイルシールを奥まで入れてしまっていた場合は別ですが、通常のオイルシールの厚みと挿入深さであれば、問題無さそうです。

ダイナモステーターベースはエンジンNoによって2回形状が変わっていますが、形状変更前と2回形状変更後のものを見比べても、穴の大きさ、位置は一緒でした。

 

2.「クランクケース内圧を下げる(内圧が上がらないようにする)」

オイル排出先のクランクケースの内圧がブローバイガスなどで高くなっている場合、排出されるはずのオイルが押し戻されてしまう(排出しづらい)のではと考えました。

その対策として減圧バルブをつけてみたところ、これはそこそこの効果がありました。

(以前の記事参照)

cd125.hatenablog.com

減圧バルブを使わない方法として、ブローバイガスを排出するブリーザーホースをタペットカバーに増設(内径6㎜×2本)してみたりもしたのですが、これは減圧バルブほどは効果が無いばかりか、暫定でつけたオイルキャッチタンクにかなりの量のオイルが出てしまっていたので採用しませんでした。

オイルが出にくいようにブリーザーホースを追加するのであれば良いかもしれません。

街中を30分程走って3、4ccくらいでしょうか。

 

3.「セルモータースプロケットのオイル戻り穴を大きくする」

セルモータースプロケットについているオイルシールまで押し出されたオイルは、戻り穴を通ってダイナモステーターベースへ戻っていくのですが、この戻り穴を大きくすれば戻るオイル量も多くなるはずです。

とはいえセルモータースプロケットの加工となると難しくなるのですが、実はセルモータースプロケットはパーツNoは変わってないもののエンジンNoが後ろのもの程、この戻り穴が大きくなっています。

左がCD125E-101****、右がCD125E-111****。三つあるオイル戻り穴の大きさが明らかに違います。

そして戻り穴の大きいものに変えてみた効果ですが、…正直、多少改善したかな?程度です。

既に持っていて選べるのであれば戻り穴が大きい方が良いですが、頑張って探すまでではないかもしれません。

 

 

以上、対策を書いてきて思ったのは、原因としては「原因1:ダイナモステーターベースからセルモータースプロケットにくるオイルが多い」の影響の方が大きそうだ、ということです。

ということは、この原因にもっと直接的に効く改善策があれば、根本解決できる可能性があります。

 

自分もこれからも対策を考えてみて、良さそうなものがあればここに書いていきますが、もし何かいい案をお持ちの方がいましたら教えていただけるとありがたいです。